校舎裏には、俺とあこの2人…。


沈黙をやぶったのはあこだった。


「拓斗…ありがと…」


「気にすんな。」


そういってあこの頭をなでた。


すると、安心したのかポロポロと泣きだすあこ…。


「…っ、…殴られるっかと思っ……」


…ッ!

その瞬間俺はあこを抱きしめていた。


「大丈夫か?来るの遅くてごめんな?」


フルフルと首をふるあこ。


あこが泣いているのは俺のせいだ…。


「ごめんな?俺のせいで…。」


びっくりしたように顔をあげて、

「なっ、んで、拓斗のせいなのっ…?」


「わかんなくていい…。」







ほんとにごめん…。

俺が守るとか決めときながら結局あこのこと泣かせてるじゃねぇか…。



所詮、俺の片想いなのに…。












「ごめん…。なぁ、これからは仲良くしないでおこう?」


「っ!なんで⁉」


こんなこと急に言われてもビックリするよな…。


「俺と仲良くすると、あこが迷惑するから…。」

「めっ、迷惑じゃない!」













…ごめん、あこ。


俺はあこをつきはなして、


「だからぁ!いい加減気づけよ!俺が迷惑なの!ちょっと面白いと思って仲良くしてやったら、女同士のケンカに巻きこまれるし、面倒なんだよ!!!」



「…っ、そ、か…。」

「あぁ。」


「うん!なら仕方ないね!ほんとにごめんね?」

「じゃあ、これからは他人で。」


「…っ…うっ、うん!分かった!」


無理して笑顔をつくるあこ。




「じゃあ。」



あこを残して歩き出す。



ふと振り返ると泣いているあこ…。




ごめん、ほんとにごめん。

あんなひどいこと言って…。


そんなこと1回も思ったことないから。



ごめん。




でも、これがあこにとって1番いい方法…。




きっと俺と仲良くしてたことなんてすぐに忘れる…。






ほんとにごめんな?







俺、忘れられるようにがんばるから…。


でも、すぐには無理だから…






もう少しだけ好きでいさせて…。










ごめん、あこ…。