「陸斗?どうしたの?ってか、歩くの早い!!」 「あ、悪い」 そう言うと、やっと手を離してくれた。 もう、いきなりどうしたの? なんかいつもの陸斗じゃないよね。 「なにかあった?」 「別に。それよりなにもされてないか?」 「ん?なにが?」 なにもされてないって? 意味が分からず聞き返す。 すると、陸斗は呆れたようにため息をひとつ。 「あいつだよ、伊藤。なにもされてないかって聞いてんの」