あたしは、赤い顔を隠すために俯いていると、ガチャッとドアの開く音がして、反射的に視線をそちらに移す。



そこには、欠伸をしながら家から出てきた陸斗が。

あたし達を見つけて、一瞬目を見開く。



だけど、すぐに視線を逸らしてしまう。




「あ、陸斗おはよっ」



「……」




あたしが、挨拶するのも無視して隣を通り過ぎてしまう。



チラリとも見ないで……。




いつもなら朝からギャーギャーうるさいのに。


不思議に思って陸斗の背中を見つめてると、握られていた手がギュッと強くなる。





「先輩?」



「俺たちも行こ?」