急に繋がれていたはずの右手が空いて、寂しく感じる。
って、さっきまでずっと繋いでたじゃん!
心の中で、寂しくなった気持ちを誤魔化す。
「じゃあ、明日の朝、迎えに来るからね」
「そんなっ!先輩遠回りじゃないですか!」
さすがに悪いよ……。
朝は貴重な時間だし、あたしの家と青木先輩の家は少し距離があるから。
「俺が朝から真優ちゃんに会いたいだけだから。じゃあまた明日」
青木先輩はあたしの頭を数回ポンポンとして、背中を向けて帰って行ってしまった。
ドキドキドキ。
あたしの心臓は鳴りやまない。
さっき撫でられた頭にそっと触れる。
顔が熱くなるのを感じながら、あたしは青木先輩の背中が見えなくなるまで見送った。