僕は、桜田 夢人(さくらだ ゆめと)。


今日から南中学校の3年だ。


一人称は癖で『僕』だけど、
人前では『俺』って言うように心がけてる。


だって、『僕』なんてカッコ悪いし、ナヨナヨしてそうじゃん?



そんなの嫌だ。



でも、つい『僕』って言ってしまうんだけど…




「おっはよー!」


「うわっ!
なんだよ、奏。」



後ろからいきなり首に腕をまわしてきたのは、幼馴染みの咲田 奏(さきた かなで)。


あぁ、親友でもある。




「今日から3年だね、夢ちゃん?」


「…。」


「今日も可愛いね~、夢ちゃん?」


「やめろよ。」



奏を睨む。


「おー、怖い怖い。可愛い怖さだけどね」



む、むかつく。