私は赤い上着を羽織り、部屋から出る。

誰も居ない一軒家は、どこか寂しげだ。

普通ならば、お母さんがご飯を作ってくれたりするのかな?


残念、私の家のお母さんは本日男とデートで居ません。
ちなみに、毎日です。
さらに言なら、お母さんの相手は私の本当のお父さんじゃありません。
そして、私の家にお父さんはいません。
別れました。
何故かお母さんが、私を引き取ってくれました。


お母さんはキャバ嬢です。
売れっ子なのでお金は一杯あります。
私の自由に使っていいお金が、ドレッサーの中にある。
しかも、1週間に万単位でチャージされている。

お母さんはもっと一杯持っているけれど、洋服や化粧品、男に貢ぐ為に消えます。

だから私は、そこから少しずつ貯金したり、ご飯を買うお金にしています。


私は3千円ほど掴んで、夜道を歩き出した。