「ん。」
ぽん、と私の手のひらの上にケータイが置かれる。
「俺のアドレス入れといた。オマエのも、俺のケータイに入ってる。」
「なんで?」
「なんで、って…、オマエはこうでもしないと、ネット意外の人間と関わらなそうだから。」
まぁ、こんなことされても、関わるかなんて分かりませんけど。
私は、携帯の電話帳を開いてみた。
お母さんですら登録されていない携帯。
唯一、『高峰大成』という文字が、ディスプレイに表示されていた。
なんだろう。
不思議な感じがする。
もやもや?ちくちく?ぎゅうぎゅう?
分からない。
だけど、嫌な感じはしないな。
何でだろう。
てか、こんなシチュエーション、二次元でしかありえない気がするんですけど。
地味子が?不良に?構われて?みたいな。
だからもやもやするのかな。
心の何処かが、「ありえない!」って叫んでいるせいで。
