星になる

嫌がらせはあの4人の女子からされた。
いつものように学校に来た真紀は、下駄箱で立ち止まった。上履きが無くなっていた。
真紀はすぐにあの4人だと分かった。
仕方がないので靴下のまま教室に向かった。
教室に入るとあの4人の中のリーダーの女が
「真紀、上履きは?」
と笑いながら聞いてきた。
「うっさい。気安く名前を呼ぶな。」
と真紀は言った。
「一緒に探してあげよぉかぁ?」
4人はけらけら笑っている。
ちょうどその時、佑が教室に入ってきた。
「真紀、おはよ。お前…上履き…」
真紀の足元を見て佑が言葉をつまらせた。
真紀が何も言わないので不思議に思った佑が
「誰か真紀の上履き知らねぇ?」
とクラスの人たちに言った。
すると4人の女のリーダーが佑に駆け寄り
「私、真紀の上履き見たよ?」
と猫みたいな声で言った。
すると佑は
「見たんじゃなくてお前が隠したんだろ」
と言った。
「ち、違うよぉ」
「お前何て名か知らねぇが俺の気が変わらないうちに真紀の上履き持って来い」
と女の胸ぐらを掴みながら言った。
女は慌てて掃除用具箱から真紀の上履きを取り出した。
その瞬間、佑が女を殴った。
そして
「コイツとグルは誰だ」
佑のあまりにも低い声に驚いた3人が一斉に
「ごめんなさい!」
と叫んだ。
佑は3人を順番に殴った。
「今度こんなことやったらそん時は殺す。真紀に限らねぇ。真紀以外のヤツにやった時もだ。もう二度とこんなことすんじゃねぇ」
佑は真紀の上履きを手に取り、真紀の足元にそっと置いた。
「ありがとう…」
真紀は佑に言った。
佑は何も言わず教室から出て行った。