4文字のあいしてる【完】

圭吾がそんなことを言うものだからうっすらと瞳が潤む。我慢していたのに。そんな風に言ってもらえるなんて思わなかった。


誰も私にそんなこと言ってくれなかった。


電車に興味があるなんて誰も分かってくれなくて。友達はいるけれど夢を語る相手なんていない。親にも心配されて、私の夢なんて誰も応援してくれなかった。


「圭吾、ごめんね。弱気になっちゃって」


「いいんだよ。また弱気になったら背中を押してやるから」



電車で出会っただけの私にくれるこの人の言葉は不安を取り除いてくれる。元気にしてくれる、背中を押してくれる。夢を応援してくれている。


「本当にありがとう」




やっとバスが来た。なんだか目的地が見えた安堵感と会えないかもしれない不安感が交錯する。




乗り込んでまた横並びに座る。そっと横を向くと圭吾が窓の外をジッと見つめていた。


一生懸命一緒になって探してくれた姿に感動した。私の背中を押してくれた。圭吾に出会えて本当に良かった。