4文字のあいしてる【完】

ホームで停車する上り列車。



思わず立ち上がった私の目は電車から降りて来る1人の人に奪われた。



まるでさっきのトメさんがこの瞬間を知っていたかのように


会いたい人が目の前にいてゆっくりと私に近付いて来る。




「奏、ごめんな。俺、やっぱり奏が好きだ。向こうに行ってもずっと奏のことばかり考えてた。後悔してた。奏の夢のためにって別れたくせに未練がましく奏のこと思ってた。だからもう自分の気持ちに嘘付けなくて仕事辞めて戻ってきたんだ」




同じ気持ちだったんだ。
だからまた私たちは会えたんだね。




「私も、私もずっと圭吾が好きだった。会いたかった」