えっ?そんないきなりいいのかな?




圭吾さんはスタスタと前を歩いてるし
こんなとこで迷子になったら大変。





「ま、待ってください」


先を進む圭吾さんの後を追いかけるように小走りで彼の隣に並んだ。



「ここだよ」



まさか、思ってもみなかった。




圭吾さんのおばあさんの居場所は
グレーの石。





「びっくりした?」




「・・・うん。でも圭吾さんは毎週、お墓参りに来てるんだね。すごい、尊敬した」


「生きてるときに結構迷惑かけたしな。それに俺もあの電車が好きなんだ。正直、進路が迫ってるのに何がしたいかもわからない。周りはみんな必死で頑張ってるのにどこか冷めてて。この電車に乗って現実逃避してた」