お花とお線香を供える。白川さんが教えてくれた。トメさんにはお墓を参ってくれるような家族がいないって。
だから、時々白川さんがここに来てるんだって。私はここに来るってトメさんに約束したのに。
結局、あの日から一度も来れなかった。
目を瞑り、ゆっくりと手を合わせた。
「トメさん・・・ごめんね。私、運転士の夢を諦めることにしたよ。約束守れなくてごめんね。」
「・・・奏ちゃん。よく頑張ったね。」
いるはずの、見えるはずのないトメさんがそこにいるかのように見えて
私はあの日から一度も流したことのない涙が瞳から零れ出すのを感じた。
「ごめんね。ごめんね。トメさん。私は、私はトメさんの夢を叶えてあげられなかった。運転士に・・・なれなかった」
「奏ちゃん、私に謝らなくていいんだよ。奏ちゃんの人生なんだから。だけどね、もう無理はしないで。奏ちゃんはどうしたい?本当に運転士を諦めて圭吾くんを忘れたいの?」
運転士の夢を諦めてトメさんと圭吾とさよならする。
そう決めてきた。
それなのに・・・私、全然諦めてきれていない。
だから、時々白川さんがここに来てるんだって。私はここに来るってトメさんに約束したのに。
結局、あの日から一度も来れなかった。
目を瞑り、ゆっくりと手を合わせた。
「トメさん・・・ごめんね。私、運転士の夢を諦めることにしたよ。約束守れなくてごめんね。」
「・・・奏ちゃん。よく頑張ったね。」
いるはずの、見えるはずのないトメさんがそこにいるかのように見えて
私はあの日から一度も流したことのない涙が瞳から零れ出すのを感じた。
「ごめんね。ごめんね。トメさん。私は、私はトメさんの夢を叶えてあげられなかった。運転士に・・・なれなかった」
「奏ちゃん、私に謝らなくていいんだよ。奏ちゃんの人生なんだから。だけどね、もう無理はしないで。奏ちゃんはどうしたい?本当に運転士を諦めて圭吾くんを忘れたいの?」
運転士の夢を諦めてトメさんと圭吾とさよならする。
そう決めてきた。
それなのに・・・私、全然諦めてきれていない。

