あの後、2人で過ごした家にはやっぱり住めなくて実家に戻った。


家具や家電は譲ったり売ったりして圭吾と関わったものは全部、さよならしたんだ。


桜のペンダントだけは大切に引き出しの奥にしまってるんだけどね。


「かなでん。少し今日帰りに話したいことがあるから時間作ってくれるか?」

春山さんに呼び止められてゆっくり頷いたのはちょうど初めて圭吾と話したあの日。