4文字のあいしてる【完】

「奏。どこか行きたいとこある?」




今年の誕生日プレゼントはお互いになしにした。物は残ってしまう。


思い出にしなくちゃいけないから。形に残しちゃいけない。




「2人の家に帰ろう。圭吾と一緒にいたい。もっとずっと圭吾の近くにいたい」




もういいんだよ。



ずっと私のために我慢してくれていたんでしょ?私、圭吾になら全部あげるよ。




「・・・ごめんな。奏。それはできないよ。俺が離れられなくなるから。ごめんな」




またそっと抱きしめてくれる彼。
私たちは春には別れる。




大切にしたいから私は刻みつけたかった。でも圭吾は大切にしたいから・・・何もしなかった。




一つ歳を取ったそんな切ない誕生日。




ただずっと抱きしめあってキスをして・・・泣きながら眠った。