4文字のあいしてる【完】

それにやっぱりかっこいいんだよな。会社でもモテるんだろうな。



今まで何人と付き合ってきたんだろう？この部屋にも来たのかな？




「どうした？」


食べる手を止めて圭吾を見つめていたらすごく不安になってきた。私は圭吾しか知らない。

今までどんな女の子と付き合って、どんな恋愛をしてきたんだろう。

考えたくないけれど気になってしまう。



「圭吾ってモテるだろうなって。あの人も大学でモテるって言ってたし、彼女もいっぱいいたんだろうなって。ここにも来たのかな、美味しいご飯を食べたのかなって思ったらなんだか悲しくなってきちゃった」


俯く私の顎を圭吾がそっと掬う。そのまま目が合うと唇に温かいものが触れた。


ちゅっ。


耳を掠めたリップ音。えっ？今キスされた？圭吾を見ると笑ってる。




「あんまり可愛いこと言うから」




「ヤキモチだよ。可愛いの？」




「可愛いよ」




「ギュッてして欲しいな」




「おいで」




圭吾の胸の中はあったかくて不安を全部打ち消してくれるみたい。


このまま時間が止まればいいのにな。
明日が来なければいいのに。