4文字のあいしてる【完】

圭吾は一度も笑ってくれなかったし無言だった。


手を繋いでもあまり握り返してくれない。



この先に言われることが予想できた私は立ち止まることしかできなかった。




「・・・どうした？」




「嫌だ。私、行かない。何も聞きたくない」




「・・・聞いて欲しい。お願いだから」




なんで私はこんなことにだけ頭が冴えるんだろう。



聞きたくないのに悲しそうな圭吾の声に握った手も離せず走り出すこともできなかった。