「あ、ほんとだ。今日は星が綺麗に見えるな」




「圭吾も星見てくれたの?迷惑じゃなかった?」




「迷惑じゃないよ」





「良かった」





どうしよう。会話が続かない。
どうして、言葉が出てこないの。


言いたいことがあるのに。言えない。
断られたらどうしようってそんなことばかりが頭をよぎる。



頑張って紡ぎ出した言葉は決して言いたかった言葉じゃなかった。




「あ、あのね・・・また・・・電話してもいい?」





「うん。いつでもどうぞ。出られないときは掛け直すから」





「あ、ありがとう。そ、それじゃ。なんか変な電話しちゃってごめんね。卒論頑張ってね」





「ありがとう。奏も勉強頑張って」