4文字のあいしてる【完】

「・・・サークルの飲み会はまた連絡する。じゃ」




背中越しに聞こえる圭吾の声。


『お兄ちゃん』なんて自分から言ったくせに悲しくなって圭吾を振り返ることもなく、そこを立ち去る。


あの人、圭吾のことが好きなんだ。綺麗だったもんな、お似合いだよね。


俯きながら歩くと涙が瞳に溢れてくる。


どう頑張っても年齢差は埋まらないし私は妹にしか見えないんだよね。




「おいっ、ちょっと待て」




ガッと手首を掴まれた。


圭吾の声が怒っててちょっとだけ掴まれた手も痛い。


でも・・・




「大丈夫。ここは駅から直結してるからすぐに帰れるよ。迷子になる心配もいらない」




「そんなこと聞いてないから。『お兄ちゃん』って何?俺は別に妹だなんて思ってない。勝手に傷ついて立ち去られるほうが腹立つんだけど」