「佐伯さんっ」

ふいに少女の澄んだ高い声が頭上に響いた



と同時に


タンッとかろやかな音とともに踊り場から、華麗に宙返りをして少女は佐伯の前に立ちはだかった。



「私行きます。お供させて頂きます」


佐伯は答えにつまったかのようにうぐぐと唸った。





「弓野博士の所でしょ」

少女が一歩近づく


「第2バイオ研究所…」



少女の形のよい唇が呪文のようにその言葉を紡ぐ