最高のプレゼント?


最後のプレゼント?




「え?どういうこと?」



「言葉通りよ、麗華」



「桜子、時間だ」




母は時計を見ると、顔を歪めた。




「ゴメン麗華、もう行かなきゃ」



「え?」



「株主総会とかの準備しなきゃ、


麗華、部屋に行けば分かるから」




母はそう言うと、父と一緒に大食堂を出て行く。




「待って...」




『待ってよ、ママ、パパ...!!!!!


麗華を一人にしないで、
使用人もSPもいらない!!!


麗華はパパとママがいい!!』




大食堂の扉を見ながら、

あの日の空港がフラッシュバックされる。




「何思い出してんのよ、自分」




大食堂に飾られた、賞状やトロフィー。


それを多く取ったって、
何も変わらないことを知ったのはいくつの時だろう?