「5歳の夜。

6歳で義務教育が始まる麗華に家をプレゼントしたわね」



「えぇ、この恵比寿城でしょ?」



「9歳の夜。

20歳の半分の10歳になる麗華には
嫁入り道具を渡したかしら?」




そうだった。


9歳の夜。

嫁入り道具を貰ったんだ。



ウエディングドレスから、何から何まで。



そう考えると、人生で誕生日プレゼントは二回だけ。




「明日が麗華の16の誕生日か」



「早いわねぇ、こんな綺麗になっちゃって」



「桜子の血だな」



「もう!忠成さんったら」




そんなやりとりどーでもいいから。



どういうこと?

今日は15歳の最後の夜。




「16歳になる女の子って、
あることが許されるんだけど、分かる?」



「はい?」




両親は見つめ合って笑うと、こう口にした。




「愛しい娘に、
最高のプレゼントを用意したよ」



「最高で最後の
プレゼントよ.....」