「パパ!!」
「その大福も、桜子に食べられて嬉しがってるよ」
「ふふっ、でしょー?」
そうだった。
父、忠成Tadashigeもこんな人だった。
「何で、また急に」
「急にじゃないぞ?
桜子がちゃんと麗華に報告してたろ」
「してたしてた!
『今、アジア』ってあったでしょう!?」
それはあったよ?
なんて大雑把なんだって思ったもの。
「まさか」
「日本に来てからも、送ったわよ?
忠成さんと日本列島一周してたし」
これからは全部ポストカード見よ。
とんでもない見落としがあるかも知れない。
「まぁ、麗華。
ここに座りなさい」
父がそう言うと、母も紅茶を使用人に片付けさせる。
「麗華も、
私たちが帰ってきた理由知りたいんだろうし」
「桜子と帰ってきたのは、
麗華が明日16になるからだよ」

