内線電話で使用人にそう告げると、
わずか一分足らずで部屋に来た。
「お嬢様」
「片付けお願いします」
「かしこまりました。
...紅茶か何か、
ご用意いたしましょうか?」
机の上に散乱した資料を見ての判断だろう。
「長丁場になりそうだよね?やっぱ」
「はい、失礼ですが」
「アールグレイお願い」
使用人は頷くと、ダンボールを抱えながら、
静かに部屋を出て行った。
「御堂慶哉...20歳で会社を継ぎ、今では恵比寿を越える勢い。」
目の前に広げられたのは、周りの会社などについてのモノ。
いつかは一人っ子として、この恵比寿を継ぐもの。
嫁ぐにしても、恵比寿の名は守りたかった。
「凄い、親の時の総資産の二倍以上...
よっぽど出来る男なのね」
株を見ても、それは一目瞭然。
世界で名を騒がせるウチも、
株は平行線をたどっている。
「御堂慶哉、この男はヤバイ」