気狂い男とお嬢様の私。


口を瞬時に開けて、そのままの勢いで手を噛む。



私の歯型が出来たのを横目に、
左足を高く掲げ、後ろを振り返り、そのままワキに。



ドサッと音をたてて、ワキを抱えながら座り込む男。




「ったく、あんた何様よ!!

身分を現しなさい、身分を!!」




.......!!!!!!!!!!


まただ、最初の時のあの目。



人の心を見透かすようで、
相手を突き放す瞳。




「あなた、もしかして.....」




机まで走って、揃えられた資料を崩しながら、目当ての資料を探す。



私は見た。

この顔を直接ではなく、間接的に。


写真という名のもので。




見つけた資料を男の傍まで持って行き、男と比べる。



やっぱりそうだ。


この男.......




「俺の名は、御堂慶哉。

イテッ、御堂会社の社長だよ」



「御...堂、慶...哉」



「よくもやってくれたな、
恵比寿麗華」