箱のふたに手を伸ばし、少し持ち上げた。



少しの隙間からは、異常は感じられない。




「よ、しゃー!!!!!!!!!」




声に合わせて、力任せにふたを持ち上げ、自分の頭上を越えさせる。



それでもよほどの高さが箱にはあって、中身が見えない。



また一歩近づき、一歩引き、一歩近づき、一歩近づき、一歩近づいた。



ゆっくりと箱の中を見る。


.....目が合った。




「キヤアあァあァあァあ!!」



「騒ぐな、脳内出血する」




何?

何々どういうこと?



ロボット?
人間?

アンドロイド?



箱の中で光っていたあの目は何?




『騒ぐな、脳内出血する』


喋ってた?

箱の中のワケ分かんない物体、喋ってました?



鈍い音がして、箱を見ると、

箱はさっきまでの原型を留めていなかった。



箱の中は丸見え、だけど何もない。




「え?
........ンッ!!!!!!!」