ひとつ、屋根の下で



***



「よっ」


「わあっ!?」



撮影を終え着替えて外に出ると、外の壁にもたれていたらしい凌が真横から声を掛けてきて、凌の存在に気づいてなかった私は驚いてそう叫んでしまった。



「び、びっくりしたあ!!なんでいるの!?先に帰ったんじゃ」


「なんで同じ家なのに別々に帰んなきゃなんないんだよ」



そう言って凌が壁から背中を離し、私の隣に並んだ。


そして、どちらともなく歩き出す。



割と近所のカフェだったので、歩いて帰れる距離。


すっかり暗くなった道を、通り過ぎる車のライトや、ぼんやり光る街灯が照らしていた。



「ていうか凌、ホントなんで来たの?取材とか言って、凌の漫画にモデルの子なんて出てこないじゃん」


「あはは、そんなん嘘に決まってんだろ。現場に入るための口実。ホントは沙波をからかいにきただけ」


「……あんたねぇ」