ひとつ、屋根の下で



私の声に、綺麗な背中が振り返る。


凌は駆け寄ってくる私に、不思議そうに首を傾げた。



「どした?」


「言い忘れてた!今日ね、私仕事で帰りちょっと遅くなるから、ご飯先に食べてていいよ」


凌に追いついて立ちどまる。


いつもは凌のお仕事ばっかり手伝ってる私だけど、一応私も雑誌のお仕事あるからね!



「……あー。忘れかけてたわ。お前一応モデルだったな」


本当に忘れていたのだろう、一瞬ぽかんとした後、やっと合点がいったように頷いた。



「ヒドイ!!」


「悪い悪い。……それって放課後?」


「そうだけど」


「ふーん。わかった」


凌は何か考えるように視線を一度彷徨わせた後、にっこり笑った。


瞬間、ぞくりと私の背中を悪寒が通り過ぎていった。



……この笑顔、嫌な予感がするのは私だけ……?