ひとつ、屋根の下で



「さ、ささ沙波!?」


「うわっ」


グイッと強く腕を引かれ、身体が傾く。


さっきから意外な怪力を発揮してる千依が私を引っ張ったからだ。



「なに、引っ張りすぎ」


「だ、だって!!部屋って……!しゅ、シュシュ忘れるって……!」


きゃーーっ!


と、何を想像したのかは知らないけど両手で顔を隠し、叫んだ千依。


そんな千依に、凌がぷっと笑った。



「あんたが雨宮千依?なんか思ってたよりテンション高い人なんだな」


「えっ」


ポッと顔を赤くした千依。


……そこ、照れるとこなの?



「じゃあ俺行くわ。またな」


「あ、うん。これありがとね」



シュシュのはまった手首を振って言うと、「おー」といちど手を振り返し、凌は教室を出ていった。