ひとつ、屋根の下で


「こ、これ全部!?ていうか、読んで判断するだけならやっぱり恋人ごっこなんかじゃないんじゃ」


「それはまたあとのお楽しみってことで。とにかく読めって。恋愛ものなんてホントわかんねーから我ながら色々ヒドイけど、まぁそんだけあれば一個くらいまともなのあんだろ」


高槻くんの言葉に、手元の紙に目を落とした。


鉛筆のラフな線で描かれた漫画。


しっかり描かれたものなわけじゃないのに、すごく上手い。



「え、っと……?」


1番上の紙に書かれた物語を目で追う。




セーラー服を着た女の子が主人公。


……少年誌だけど女の子が主人公なの?


と早くも首を傾げた。



その女の子は長いツインテールを風に靡かせて走っていた。


しかも目玉焼きの乗ったトーストを口にくわえながら。



『きゃー、遅刻遅刻!!……みなさんこんにちは!あたしの名前は……』



……私はそこで読むのをやめた。