ひとつ、屋根の下で



……凌の言うとおりだった。


どうして気付かなかったんだろう。


ちゃんと、表紙の下の方、作者名と並んだ大きな字で、書いてあるじゃない。


実話をベースにした感動作、って……。



「あ……、そうなんだ……」



なんとか、私はそれだけ言葉を押し出した。


……どうしよう。


なんか、また泣きそう。


だって、これ……、実話、って……。



……凌、こんな恋愛をしたの?


主人公のこの男の子みたいに、深く愛した人がいたの?


凌に、こんなに愛された女の子がいたの?



思わず、涙をこらえて俯いた。



「そ。だから沙波の協力がなきゃ今の俺の漫画はないから。
変な勘ぐりすんなよ。

で、沙波はさっき何を言いかけて……、沙波?」