ひとつ、屋根の下で



別、って……。


そういうものなのかな……。


私は漫画家じゃないからわからないけど、凌がそう言うならそういうものなのかもしれない。



「つか、なんか用だった?仕事じゃないのに沙波が俺の部屋に来るなんて珍しい」


わしわしとタオルで髪を拭く手は休めないまま、凌がそう言ってきた。


その言葉に、ハッとする。


そうだよ。


私、漫画を読むためにここに来たんじゃない!


凌に訊かなくちゃ。


私に触れるのは仕事のためって、そう言ったのは「好きになるな」っていう意味なのか。


私に優しくしてくるのは、ただの同情なのか。


そして、もしも。


もしも、私が思っていたものとは違う答えをくれたなら。


もしも、凌の優しさの理由が同情じゃなくて、瀬野くんが言っていたように少しでも私のことを女の子として好きだという気持ちを持ってくれているのなら。


……私、ちゃんと言おう。


凌のことが、好きだって────。