「えええ!?何、泣いてんの!?」
びっくりした顔のまま、部屋の真ん中あたりに立っていた私の方に近づいてくる。
「うう。だって、これ……」
私が持っていた漫画を顔の前に持って見せると、凌は安堵したように息を吐いた。
「なんだよ、驚かせんなよまったく!……今度は何があったかと思ってびびったわ」
はー、と大きく息を吐き出して、ベッドに腰掛ける凌。
私の持っていた漫画本するりと奪い取って、ぺらぺらとめくる。
「そんなに泣けるほどひどかった?」
「そ、そんなわけないじゃんっ!!すっっごく感動した!」
「マジか」
凌はそれはよかった、と言って漫画から目線を上げ、私を見て笑った。
「……こんなに素敵な恋愛がかけるなら、私の協力なんか必要なかったんじゃないの?」
「それとこれとは話が別」
持っていた漫画本を脇に避け、肩にかけていたタオルで濡れたままだった髪をぐしゃぐしゃと雑に拭きながら、凌はそう言った。


