ひとつ、屋根の下で


……物語は、そこで終わっていた。


ふたりが別れるところ。そこで、終わっていた。


ただ、その別れのシーンが、これ以上ないくらい心に響くセリフ、絵、主人公の男の子の気持ちに、切なくも綺麗に飾られていて。


凌の中では、これがこのふたりの恋の終わりだったのかな、と思った。


ふたりが逢うことはもうなかったのかな、と思った。


はっきりとは描かれていない女の子の死が、むしろはっきりとその事実を述べるよりも想像を膨らませることになって、涙が止まらなくなった。


たった30ページなのに、ふたりは一生分の恋をしたんじゃないかと思えるほどに内容がつまっていた。




「あれ、ドア開いてる……、って、うわっ!!」


まだ涙目で漫画を持ったまま立っていたら、凌が部屋に戻ってきた。


驚いたように私を見る凌は寝巻に使っているジャージを着ていて。


やっぱりお風呂に入っていたんだと思った。