ひとつ、屋根の下で



どうして人気だったのか分からない、なんて凌は言っていたけれど。


恋愛がわからない、とも言っていたけれど。



……嘘吐き。


私とやっている恋愛ごっこなんか必要ないくらい、ピュアで人の心を掴む恋愛、分かってるんじゃん。



────話の内容は、よくある話と言ってしまえばそれまでの内容なのに。


可愛らしい女の子と、幼なじみの男の子の恋物語。


その綺麗な絵と、物語の儚さがマッチしていて。


ふわふわと掴みどころのない女の子のキャラに、これでもかってくらい惹きこまれた。


女の子のことが好きなのになかなか好きだと言えない男の子に、どうしようもなく感情移入していた。


やっと気持ちが通じたと思ったら、女の子が重い病気にかかっていることが分かって、治療のために海外に渡ることになる。


……きっと他の作品の多くは、こんな展開の後には、数年後に無事女の子の病気が完治して、男の子のもとに帰ってくる、っていうラストが待っていると思うのだけど。


私も、そのつもりで読み進めていたのだけど。