ひとつ、屋根の下で



「返すって言っても……」


簡単に言うけど、それってどういうことなの?



私はいったいどうすれば、凌からもらった温かさを返せるの?


少しでも、って言ったって。


……凌からもらった温もりは、優しさは、私にとって何にも代えられないくらいなのに。



「簡単だって。……ただ一言あげればいいんだからさ」


「え……?」



瀬野くんの言っている意味が分からなくて、私は首を傾げるばかりだった。



「あとは自分で考えなよ」


「そこまで言ったなら教えてよ……!」


「やだ。俺だってそこまでお人好しじゃない」



フッ、と瀬野くんは笑う。



「えええーー」


「……じゃあ最後にもうひとつだけね。

……俺なら、好きな女の中で、自分の優しさが同情にすり替えられてたらすごく嫌かな」



「……へ?」



……それって……。