ひとつ、屋根の下で


「そんなことないよ」


「そんなことあるね。

……あんた、アイツに訊いたわけ?仕事のためって言ったのは、好きになるなって意味なのかって。

あんたが傷付いてるときに傍にいたのは、ただの同情だけなのかって」



「……訊いたよ。触れるのは、仕事のためだけなの、って……」



それで「仕事のため」って返されたから、こんなにもその言葉が心にこびりついて離れないんじゃん。


だからこんなに、苦しいんじゃん……。



「そうじゃなくて。
……仕事のためって言った意味を訊いたのかって、俺は訊いてんの」


私にもう一度そう言った瀬野くん。


仕事のため、の意味……?


そんなの、私のことをなんとも思ってないっていう意思表示なんじゃないの?

恋愛感情はないっていうことを言ってるんじゃないの?