ひとつ、屋根の下で



「……詳しいことはわかんないけどさ。

つまりあんたは、アイツの優しさがただの同情だったって知って落ち込んでんの?」


「……うん」


「……それって」



そこまで言って、瀬野くんは一度言葉を切った。


なんだろう、と思って顔を上げれば、なんだかつらそうな顔をした瀬野くんと目があった。



「……アイツはあんたの彼氏じゃないけど、あんたはアイツのことが好きってこと?」



瀬野くんの言葉に、強く胸が締め付けられる。



「……うん」



そうだよ。


もしかして瀬野くんはずっと、私と凌を恋人同士だと思っていたのかもしれないけど、それは凌が優しすぎるから。


私のことを、心配してくれるから。


私が凌に傍にいてほしいときに、いつだって駆けつけてくれるからだ。



まるで、恋人に対する愛情みたいに。


ただの下宿人の私を放っておけないくらい、凌は優しいの。