ひとつ、屋根の下で


……そこに立っていたのは、険しい顔をした瀬野くんと、瀬野くんに手を掴まれた、黒い服のあの人だった。


未だに帽子を目深にかぶっているせいで顔は見えないけれど。


……でも……。



「……っ」


ふたりが公園に入ってきたときに私から身体を離していた凌の、コートの裾を思わず掴んだ。


カタカタと身体が震えだす。


そのことに気づいてか、凌は視線は瀬野くんと黒い服の人に向けたまま、優しくコートの裾を掴んだ私の手を解くと、そのままキュッと握ってくれた。



「……本当はこういうの、会わせるべきじゃないのかもしれないから、もしあんたが見たくないっていうなら無理しなくていい。
でも」


「ううん」


瀬野くんの言葉を、気付いたら遮っていた。


もしも気付いていなかったら、このままきっと私は犯人の顔を見ることを拒んでいたと思う。


でも。