ひとつ、屋根の下で



「うるさいなぁ!いつまでここにいるつもりなの?

着替えられないから早く出て……、きゃあっ!!」



急に一歩、こちらに近づいてきた超絶イケメンくんにびっくりして、思わず悲鳴を上げる。


だけど、そんなことは意に介さないようですたすたと歩を進めてくると、彼はいきなりバスタオルを握り締めた私の手を掴んできた。



「さ、触るな変態っ!!」


手を振りほどきたいけど、そうすると前で抑えているバスタオルも手と一緒に動かさなきゃならなくなる。


だからどうすることもできずに、私はそう叫ぶしかなかった。



そんな私に、そいつはニコッと笑った。


悪寒が走る。


なに、このいかにも何かたくらんでますって笑顔は……!



「あんたがキスしてたのって、あれ、戸倉雅季(とくら まさき)だろ?」


「ち、違うもん……っ」



今更否定しても仕方ないってわかってるけど、本能的にそう言っていた。