ひとつ、屋根の下で



「……凌、ありがとう。凌がいてくれなかったら、私、ふたりと仲直りする前にきっと心が壊れちゃってたと思う」


「……仲直りできたのは、沙波が頑張ったからだろ」


俺が言うと、沙波は微笑んで、ふるふると首を横に振る。



「違うよ。……凌のおかげなの。

……いっぱい迷惑かけちゃったね。私、もう凌に守ってもらわなくてもいいように強くならなきゃ。いつまでも頼りっぱなしなんて情けないもん」


「……そんなこと言うなよ」


くるりと玄関のドアに背を向け、リビングに戻ろうとしていた沙波は、俺の言葉に「え?」と振り返った。



「……守らせろよ。頼れよ。

……俺が、沙波のこと支えたいって思ってんだから」



沙波は、一瞬ぽかんとした表情を浮かべて、そしてすぐに顔を赤くした。


少し俯いて、そして再び顔を上げて微笑んだ沙波。