「……沙波のこと、支えてくれてありがとうございました」
「……は?」
どうして雨宮にお礼を言われなきゃなんないんだ?
思わず眉根を寄せてしまった俺にも、雨宮はふわっと笑い、「お邪魔しました」と頭を下げた。
「沙波、また明日ね」
「うん。気を付けて帰ってね」
ニコ、と沙波の言葉に笑みで応えた雨宮、そして戸倉が家を出て、パタンとドアが閉まる。
「……よかったな」
閉まったドアを見つめたままの沙波に声をかけると、沙波はゆっくりこちらを見た。
「!?」
ぶつかった視線。
沙波の瞳から一筋の涙が頬を伝って、俺はびっくりして言葉が出なかった。
なんで、今泣くんだよ!?
やっと解決できたんじゃないのか!?
「さ、沙波?」
「え?……あ、ごめんね。なんか、嬉しくて」
えへへ、と笑い、指で涙をぬぐった沙波にどうしようもなく愛しさがこみあげてきて、息がつまった。


