そう答えた戸倉の声は、なんだか痛々しい響きを含んでいた。
……でも、そんな痛みよりずっと、沙波は苦しんでいたんだ。
沙波はきっと、自分だけが悪いと思っているだろう。
戸倉を好きになったこと。
気持ちを伝えてしまったこと。
雨宮の知らないところで逢瀬を繰り返していたこと。
全て、自分のせいだと思っていることなんて、一緒にいればわかった。
だからこそ、壊れてしまいそうな彼女が心配だった。
ひとりにしておけなくて、意味があるかもわからないのに毎日一緒に帰ったり、休日も仕事に必要以上にかかわらせていたりした。


