「……沙波と俺のことなんて、君には関係ないよね」
「そりゃあな。俺だってお前と沙波のことに今更ごちゃごちゃ言うつもりはねぇけど。
……でも、ひとつだけ言っておきたいんだよ」
俺の言葉に、いちども目を逸らすことのない戸倉。
────学園の王子。
芸能界で活躍するモデルや俳優が少なくないこの学園内でさえ、そう称されるコイツの容貌は、たしかに非の打ちどころがないほど整っている。
そんな奴と女の話をしているなんてなんだか信じられない心地だった。
……戸倉は、俺には関係ないと言ったけれど、俺はそうは思ってない。
傷付いて、苦しんでいた沙波の姿をずっと傍で見ていたんだ。
……俺にとってはもう、自分のことも同然なんだよ。
まっすぐな戸倉の目を、まっすぐに見つめ返した。
「……沙波がお前を好きだったってこと、忘れんなよ」


