ひとつ、屋根の下で



「……沙波、雅季とちゃんと話して。私は雅季のことは手放せない。だからちゃんと別れ話、して」


「千依」


「キツイこと言ってごめんね。……でも、ちゃんと終わりにして欲しいの。終わらせなくちゃ、ダメ。
中途半端なままじゃ、雅季の中にも沙波の中にも、お互いが残ったままになるでしょ?
……そんなの、イヤ」


自分勝手でごめんね、と千依は泣きそうに眉尻を下げ、笑った。


「……私、廊下で待ってるから。ふたりで、ちゃんと話して」



そう言って、千依は腰を上げた。


……でも、今度は私が千依の手を掴んでそれを阻む。



「沙波……?」


少し驚いたように私を見た千依に、私は黙って首を横に振った。


「いい。千依も、ここにいて」


「え……!?でも」



千依は戸惑っているようだった。