ひとつ、屋根の下で


「……何か飲み物持ってくるね」


ひとしきりきょろきょろして、落ち着いたらしい千依と先輩。

だけどそれと同時に沈黙が訪れて、私はなんだか居心地が悪くなって立ち上がろうとした。


しかし。


「待って」



座っていた千依に下から手首を掴まれて、中腰のまま思わず視線を千依に向けた。


……さっきまでの落ち着きのなさが嘘のような、痛いくらい、真剣な目。



「いいよ、そんなの」



まっすぐに私を見上げたまま紡がれたその言葉も、真剣な色に満ちていた。



「……わかった…」


その真剣な雰囲気に圧倒されて、私はすとんと座り直す。


すると、手首を掴んでいた千依の手が離れていった。