ひとつ、屋根の下で



私を見下ろす凌は、私の膝に乗ったウサギのことなんてちっとも見ていなくて。


吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳は、どこまでも優しさに溢れていた。


……その視線は、私だけに向いていて。


少しもぶれることのなかった視線に、凌は私が話しかける前から私のことを見ていたのだと気付かされた。




「……沙波の方が可愛いけど」



ドキドキとうるさい心臓にかき消されてしまうかと思った。


凌の、そんな言葉。




「え、……え!?」



何言ってんだろう、この人。


いきなり何を言いだすの。


すごい勢いで心臓が暴れ出す。


かああっ、と見事に真っ赤になる私に、凌がくくっと喉を鳴らして笑った。


その笑顔に、心臓がキュンと跳ねた。