ひとつ、屋根の下で


トレイの上の食べ物がなくなると、凌がふわりと笑って、「食べれたじゃん」と軽く頭を撫でてくれた。


それと同時に、椅子から立ち上がる。


「子ども扱いしないでよ」


ムッとしながら私もそれに倣った。


「悪い悪い。俺これ片付けてくるわ」


笑いながらテーブルの上にあったトレイを持ってそう言うと、凌は再び人が混み合う店内に消えていった。



……子ども扱いしないで、とか言いながら、優しいその掌にときめいてしまった私は、きっと重症だ。



「15時からうさぎさんだっこだって。……沙波、だっこする?」


トレイを片付けて戻ってきた凌に、どこかからかうような口調で言われ、私はプイッと顔を背けた。



「子ども扱いするなら、行かないもん」


うさぎさんだっこ、って……。


凌が言うと恐ろしく似合わないから不思議だ。



本当は、うさぎ触りたいけど!


小動物とか、だいすきだけど!



でも、なんかバカにされてる雰囲気に、素直に「行きたい」と言えなかった。