ひとつ、屋根の下で



低い声。


瀬野くんに向けたものよりはマシだけど、それでも、いつもの何倍も怖いと思った。



「あ、のね。……ちょっと、ストーカーちっくなことをされちゃって」



あの出来事をどう表現したらいいのか分からなくて、戸惑いながらもそう答える。


すると、それまでは私に背を向けて俯きがちにしていた凌が急に振り返った。


「なんだよ、それ」



凌の声は、さっきと打って変わって心配してくれているのが滲みでているような、優しいものに変わっていた。



その変化に、いつもの凌に戻ってくれたことに、安堵が押し寄せてくる。



それと同時に、考えないようにしていたさっきの出来事が、脳裏に鮮明に蘇った。



眩しいフラッシュが視界を埋める様な錯覚。