ひとつ、屋根の下で



唐突に会話に割り込んできた瀬野くんに、凌が冷たい視線を向けた。


けれど、そんな視線をものともせず、瀬野くんは言葉を続ける。



「こいつはなんも悪くないんだから、責めるのは違うだろ」


「……責めてねーよ」



今まで聞いたことがないような低い声で話す凌。


まるで、瀬野くんを威嚇してるみたいだと思った。



「俺には責めてるみたいに聞こえるけどね。……嫉妬もほどほどにしないと嫌われるよ」



瀬野くんはフッと笑いながらそう言い、私に向かって「じゃあ、お疲れ」と言葉を掛けると私たちに背を向け、人混みに消えていった。




……瀬野くん、完全に勘違いしてるよ。


凌は私の彼氏なんかじゃないし。



嫉妬、って言ったけど、それってきっと一緒にいた瀬野くんに対して、っていう意味だよね。



……そんなもの、凌がするわけない。