ひとつ、屋根の下で



片手を握られたまま、もう片方の手の甲を零れ落ちる涙を抑えるように目元に持っていったけれど、一度溢れてしまった涙はなかなか止まってくれなくて、私はそのまま俯く。


「……沙波?」



戸惑ったような、心配そうな凌の声。



「……あんた、こいつに何かした?」



いつもよりずっと低い声で、凌が瀬野くんにそう言ったのが聞こえて慌てて顔を上げた。



「ち、違うよ!瀬野くんは私のこと助けてくれたの」



私の言葉に、凌がきゅっと眉根を寄せる。



「……助けた、って何?」


「あ、それは」



どうしてか責められてるような気持ちになって、私の心がきゅっと竦んだ。



「……あんた、こいつの彼氏ならちゃんと守ってやれよ」


「は?」